リード単価は合っているのに契約が増えない。申込フォームで85%が離脱していた実例

リード単価は合っているのに契約が増えない。申込フォームで85%が離脱していた実例
この記事の結論

広告のリード単価が目標内に収まっているのに契約が増えないとき、原因は広告ではなく出口の申込フォームにあることがあります。ある配送・運送系フランチャイズの加盟店募集では、リード単価は¥800〜900台で安定していたにもかかわらず、申込フォームで約85%が入力途中に離脱していました。必須項目が11個あったためです。ここを直すのに広告費は1円もかかりません。入口が好調なのに出口が動かないときは、まずフォームの必須項目を数えてください。

広告運用の相談で、いちばん厄介なのは「広告の数字は悪くないのに、事業の数字が動いていない」というパターンです。

管理画面を開くと、リードは取れている。単価も目標内。クリエイティブも回っている。それなのに、説明会の予約も、契約も増えない。運用者としては、直すべき場所が見つからず手が止まります。

この記事では、実際にそうなった案件で原因が広告ではなく申込フォームだったケースを、数字とともに書きます。

目次
  1. 入口は好調、出口で詰まっていた
  2. ファネルを「区間」ではなく「地点」で分解する
  3. 原因は、必須項目11個
  4. 何を残し、何を後ろ倒しにするか
  5. 「フォームは後回し」が正しい場合と、そうでない場合
  6. あわせて見るべき「リードの質」
  7. チェックリスト:入口が好調なのに契約が増えないとき
  8. よくある質問

入口は好調、出口で詰まっていた

案件は、配送・運送系フランチャイズの加盟店募集です。Meta広告でリードを集め、説明会の予約 → 参加 → 入会(契約)へ進むファネルでした。

広告側の数字はこうです。

地点状態
リード獲得数安定して積み上がっている
リード単価¥800〜900台。改善傾向
説明会予約ほぼ増えない
入会(契約)ほぼ増えない

入口の数字だけを見れば、これは「うまくいっている広告」です。実際、レポート上の指標は改善していました。それでも事業の数字は動かない。

この状態で広告をいじると、たいてい悪化します。単価を下げようとして配信を絞れば、リードの数が減るだけです。詰まっているのが下流である以上、上流の蛇口をひねっても何も変わりません。

ファネルを「区間」ではなく「地点」で分解する

そこで、広告からの経路を地点ごとに分けて、それぞれの通過数を並べました。

  1. 広告でリード獲得(インスタントフォーム)
  2. 資料ページへの到達
  3. 説明会の日程ページへの到達
  4. 申込フォームへの到達
  5. 申込フォームの送信完了

並べてすぐに分かりました。4までは人が来ている。5でほぼ消えている。申込フォームに到達した人のうち、約85%が入力の途中で離脱していました。

ここが厄介なのは、離脱した人が数字の上では「そもそも来なかった人」と見分けがつかない点です。管理画面には、リード数と申込数しか出てきません。その間で何人が入力を始めて何人が諦めたかは、地点を分けて見に行かない限り誰も気づけません。

入口の指標(リード単価)は、出口の詰まりを一切教えてくれない。

だから「広告は好調です」というレポートと「契約が増えない」という現実が、同時に成立してしまう。

原因は、必須項目11個

申込フォームを実際にスマートフォンで入力してみると、原因はすぐに分かりました。必須項目が11個あったのです。

名前、電話番号、メールアドレス、希望日、会場に加えて、住所、性別、年齢などが並んでいました。すべて「あとで必要になる情報」ではありますが、問題はそこではありません。

これは「説明会に予約する」だけのフォームでした。まだ契約するわけではない人に、契約時に必要な情報まで先に入力させていたことになります。

スマートフォンで11項目を埋めるのは、思っている以上に負荷が高い作業です。とくに住所は、途中で「あとでいいか」となる典型的な項目です。

何を残し、何を後ろ倒しにするか

判断基準はシンプルです。「この情報がないと、次のステップが実行できないか」だけを問います。

項目判断理由
名前予約時に必須誰の予約か特定できない
電話番号予約時に必須当日連絡が取れない
メールアドレス予約時に必須予約確認を送れない
希望日予約時に必須予約そのものが成立しない
会場予約時に必須予約そのものが成立しない
住所入会時に後ろ倒し説明会の実施には不要
性別入会時に後ろ倒し説明会の実施には不要
年齢入会時に後ろ倒し説明会の実施には不要

この基準で削ると、必須は11項目から5項目になります。削った情報を捨てるわけではなく、実際に必要になる入会の段階で取得します。

効果の見込みを試算すると、完了率が15%から30%まで戻れば、申込数はおよそ2倍になります。※これは離脱率85%からの試算値であり、改修後の実測値ではありません。

重要なのは、この改善に広告費が1円も要らないことです。同じリード数、同じ単価のまま、出口の通過人数だけが増えます。

「フォームは後回し」が正しい場合と、そうでない場合

ここで一つ、矛盾するようなことを書きます。私は普段、LP改善は計測→ファーストビュー→オファー→フォーム→信頼要素の順で進めると説明しています。フォームは4番目、つまり優先度は高くありません。

それは、ファーストビューで大半が離脱している場合の話です。入口で7割が消えているなら、フォームをどれだけ磨いても、そこまで来る人がいません。だから上から直します。

今回のケースは逆でした。フォームには到達している。到達してから消えている。この場合、優先順位はひっくり返ります。

フォームに到達していない → フォームは後回しでいい。

フォームに到達しているのに完了しない → フォームが最優先。

順番のルールを覚えるのではなく、自分の数字がどちらの状態かを先に確認してください。

あわせて見るべき「リードの質」

もう一点、同じ案件で並行して手を入れたのがリードの質でした。

集まったリードを見ると、配信エリア外の人、年齢が対象外の人など、そもそも契約に進めない層が一定の比率を占めていました。この状態を放置すると、二重に損をします。契約に進まないリードにお金を払い続けることと、その人たちのデータで広告の学習が進んでしまうことです。

対応は、対象外の条件を除外設定に落とし込み、有効リードだけをコンバージョンとして学習させることです。リード獲得型の広告は、数を増やす設計よりも、質を制御する設計のほうが本体だと考えたほうがうまくいきます。

チェックリスト:入口が好調なのに契約が増えないとき

最初の2つは、今日、10分でできます。まずフォームを開いて必須項目を数えるところから始めてください。どの領域から崩れているかを6領域で自己診断する手順とあわせて確認すると、直す順番まで決められます。

よくある質問

申込フォームの必須項目は、何個までが目安ですか?

個数そのものより「次のステップの実行に不要な項目が混ざっていないか」が基準です。実例では、説明会の予約フォームに契約時に必要な住所・性別・年齢まで含まれており、必須11項目のうち5項目だけが本当に必要でした。まず各項目について「これがないと次のステップが実行できないか」を判定してください。

フォームの途中離脱は、どうすれば把握できますか?

フォームへの到達数と送信完了数を、別々に計測してください。広告管理画面にはリード数と最終的な申込数しか出ないため、その間で入力を始めて諦めた人は「そもそも来なかった人」と区別がつきません。地点ごとの通過数を並べて初めて、どこで消えているかが見えます。

広告のリード単価が目標内なら、広告は成功と考えていいですか?

リード単価は入口の指標にすぎないため、それだけでは判断できません。実例ではリード単価が¥800〜900台で改善傾向にありながら、出口の申込フォームで約85%が離脱しており、契約はほとんど増えていませんでした。評価すべきは、広告費に対して最終的な契約が何件出たかです。

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