CPA目標を合わせるだけの広告運用は、ほとんどの案件で手詰まりになる。

CPA目標を合わせるだけで広告運用しようとすると、ほとんどの案件で手が打てなくなります。

よほどプロダクト力が高くない限り、初回購入だけでROASを合わせるのは構造的に無理なケースが多い。

これはクライアントへのアドバイスとして、何度も同じことを伝えてきた実感です。

なぜCPA重視の運用は行き詰まるのか

CPA(顧客獲得単価)を低く抑えようとすると、まずターゲットを絞ります。確度が高いユーザーだけに配信しようとする。

これ自体は正しいのですが、ターゲットを絞れば絞るほど配信できるボリュームが減ります。CPAが合う範囲でしか配信しないと、獲得数に上限ができてしまう。

そして獲得数が頭打ちになると、事業側から「もっと取ってくれ」と言われます。そこでターゲットを広げるとCPAが上がる。CPAが上がると「下げてくれ」と言われる。永遠にこの繰り返しです。

これはCPAという指標だけで運用を評価している限り、構造的に避けられない問題です。

LTVが見えると、景色が変わる

クライアントに最初に確認することがあります。

「2回目を買う人が何%いるか」

この数字が見えるだけで、広告運用の自由度が劇的に変わります。

初回購入単価が5,000円、CPA目標が3,000円だとしましょう。初回だけで見ると利益は2,000円。ここからさらにCPAを下げようとしても限界があります。

でもリピート率が40%で、平均購入回数が2.5回なら、顧客あたりの売上は12,500円。この場合、許容CPAは8,000円まで広がります。

配信できるターゲットの幅がまったく違う。

LTVが見えると、許容CPAが変わる。許容CPAが変わると、配信できるターゲットの幅が変わる。運用の自由度が全然違います。

CPAを下げるより、LTVを上げる方が事業インパクトは大きい

広告運用者は、つい自分の担当範囲であるCPAの改善に集中しがちです。でも事業全体で見たとき、CPAを100円下げるより、LTVを1,000円上げる方がインパクトは大きい。

LTVを上げる手段は広告運用の外にあります。CRM、メール施策、LINE公式アカウントでのステップ配信、商品の品質改善、アフターフォロー。

広告運用者がマーケティング全体を見るべき理由はここにあります。自分の担当範囲だけを最適化しても、事業全体のKPIは改善しない。

代理店にLTVの話ができるかどうか

代理店に広告運用を任せている場合、LTVを踏まえた運用設計を提案してくる代理店は多くありません。

理由は2つあります。1つは、LTVのデータを持っているのはクライアント側だからです。代理店はCVまでのデータは持っていますが、その後のリピート状況や顧客の継続率は把握できていないことが多い。

もう1つは、LTVを加味した運用設計をすると、短期的にCPAが上がることがあるからです。「CPAが上がりましたが、LTVで見ると回収できています」という説明は、発注者側にも一定のリテラシーが求められます。

だからこそ、発注者側がLTVの概念を理解して、代理店との会話の中でLTVベースの運用目標を設定できるようになることが重要です。

まず確認すべきこと

今すぐできることは1つだけです。

自社の顧客データを開いて、初回購入から12ヶ月以内の平均購入回数と平均購入金額を出してください。これがLTVの基礎です。

この数字を持った上で広告運用の目標を再設定すれば、同じ広告費でも取れる幅が変わります。

LTVを踏まえた広告運用の再設計

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