同じLPの遷移率が、週によって6.36%と50.68%だった。数字を判断に使える状態にする方法

同じLPの遷移率が、週によって6.36%と50.68%だった。数字を判断に使える状態にする方法
この記事の結論

広告の数字は、週単位で見ると驚くほど振れます。ある案件では、同じ中間LPの本LPへの遷移率が、週次で6.36%の週と50.68%の週がありました。約8倍の差です。この振れの正体はほとんどが母数不足で、実力の変化ではありません。振れている数字に手を入れると、改善どころか判断そのものが壊れます。数字を見る前に「何件たまったら判断するか」を決めてください。それが決まっていない数字は、まだ数字ではありません。

広告運用の相談でよくあるのが、「先週はよかったのに今週は悪い。どうしたらいいか」という質問です。

このとき私が最初に聞くのは、原因ではありません。その週に何件のコンバージョンがあったかです。件数が一桁なら、その良し悪しは判断材料になりません。

この記事では、実際にどれくらい振れるのかを数字で示したうえで、判断できる状態のつくり方を書きます。

目次
  1. 週次で8倍。これは異常値ではなく通常の振れ幅
  2. なぜ振れるのか。原因は3つある
    1. 1. 母数が足りない
    2. 2. 配信の当たり先が週ごとに変わる
    3. 3. 曜日と期間の切り方がそろっていない
  3. 判断できる状態にする4ステップ
  4. 「何件たまったら」の目安の考え方
  5. チェックリスト:その数字は判断に使えるか
  6. よくある質問

週次で8倍。これは異常値ではなく通常の振れ幅

ある案件で、広告から中間LPを経由して本LPへ進んだ人の割合(本LP遷移率)を週ごとに並べたことがあります。結果はこうでした。

本LP遷移率
最も低かった週6.36%
最も高かった週50.68%

LPは同じものです。訴求も、配信設定も、大きくは変えていません。それでも約8倍の開きが出ます。

ここで多くの現場が、6.36%の週にLPを直しにいきます。そして次の週に数字が戻ると「改善が効いた」と判断する。実際には何もしなくても戻っていた可能性が高いのに、です。

週次の数字は、実力ではなく「実力+その週のたまたま」を映している。

たまたまの幅が実力の差より大きいうちは、どちらが動いたのか区別できない。

なぜ振れるのか。原因は3つある

1. 母数が足りない

最大の理由がこれです。100人が通った週の遷移率と、10人しか通らなかった週の遷移率では、後者は1人の増減で10ポイント動きます。数字そのものは正しくても、判断には使えません。

2. 配信の当たり先が週ごとに変わる

配信は毎週同じ人に届くわけではありません。オークションの状況や在庫によって、届く層は week by week で変わります。買う気の高い層に多く当たった週は数字がよくなります。運用の巧拙とは別の要因です。

3. 曜日と期間の切り方がそろっていない

週の区切りが給料日や連休をまたいでいると、それだけで比較が成立しません。特にBtoBは平日と土日で行動がまったく違うため、6日の週と8日の週を並べると差が出ます。

判断できる状態にする4ステップ

  1. 先に「判断に必要な件数」を決める。数字を見てから決めると、都合のいい期間を選んでしまいます。見る前に決めるのが要点です
  2. 件数がたまるまで期間を伸ばす。週で足りなければ2週、月にします。期間を固定するのではなく、件数を固定して期間を可変にします
  3. 比べる相手をそろえる。同じ曜日構成、同じ日数、同じ配信設定の期間どうしで比べます
  4. それでも足りないときは、上流の指標で判断する。コンバージョンが月に数件しかない案件では、CV数で判断するのは無理です。クリック数や遷移率など、件数が多く集まる手前の指標に判断軸を移します

4つ目は特に重要です。件数が少ない案件で無理にCPAを週次で追うと、ノイズに振り回され続けます。CPAが急に悪化したときも、まず4つの地点の数字を並べて区間を特定するのは、下流ほど件数が少なくノイズが大きいからです。

「何件たまったら」の目安の考え方

厳密な数字は商材と目標値によって変わるため、一律の正解はありません。ただ、実務では次の順で考えると外しません。

そして、判断しないと決めた期間は本当に触らないことです。これがいちばん難しい。数字が落ちている週に何もしないのは、心理的にかなりの負荷がかかります。

ただ、触ってしまうと学習もリセットされ、比較の前提も崩れます。広告運用が上手くなることと、毎日数値を見ることは同じではありません。見る頻度を上げるほど、判断の精度が上がるわけではないのです。

チェックリスト:その数字は判断に使えるか

最後の1つが守れているかどうかで、半年後の成果はかなり変わります。振れに反応し続けるアカウントは、変更履歴だけが増えて何も分からなくなっていきます。

よくある質問

広告の数字は、どのくらいの期間で判断すべきですか?

期間ではなく件数で決めてください。実例では同じ中間LPの遷移率が週次で6.36%と50.68%まで振れており、期間を固定すると母数の少ない週の数字に振り回されます。判断に必要な件数を先に決め、それがたまるまで期間を伸ばすのが正しい順序です。

先週より数字が悪いとき、すぐ改善すべきではないのですか?

件数が少ない場合は、まず何もしないほうが安全です。母数が小さいと1件の増減で率が大きく動くため、実力の低下と偶然の振れを区別できません。触ると配信の学習もリセットされ、比較の前提まで崩れます。変更は原因が特定できてから1つずつ行ってください。

コンバージョンが月に数件しかない場合はどう判断しますか?

CV数での判断をあきらめ、手前の指標に軸を移してください。クリック数や中間ページの遷移率は件数が多く集まるためノイズが小さく、比較に耐えます。下流の指標ほど件数が少なくばらつきが大きいという前提で、判断できる場所を選ぶことが重要です。

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