広告クリエイティブは何本作るべきか。本数より変える軸

正解の本数はありません。決まるのは予算で、1本あたりに十分な配信量が回らなければ何本作っても比較になりません。目安は、1本あたり数十件のコンバージョンがたまる配信量です。そのうえで本数より効くのは、何を変えた何本かという設計です。色や文字だけを変えた10本より、訴求の軸を変えた3本のほうが学べます。ただし配信量が確保できない案件では、本数を絞る判断が正解になります。
「クリエイティブは何本用意すればいいですか」という質問に、正解の本数はありません。5本と答えても10本と答えても、条件次第でどちらも間違いになります。
先に決まるのは予算のほうで、1本に回せる配信量が本数の上限を決めます。
本数の上限は予算が決める
広告は1本ずつ独立して評価されるわけではなく、限られた予算を分け合う形で配信されます。10本入れれば、単純計算で1本あたりの配信量は10分の1になります。
ここで問題が起きます。1本あたりのコンバージョンが数件しかたまらないと、どれが良かったのかを判断できません。母数が少ない数字は、実力ではなく偶然を映します。
つまり、本数を増やすほど比較の精度は下がる。これは直感と逆です。たくさん試したほうが当たりが見つかりそうに思えますが、判断できない本数を並べても、当たりを見分けられません。
変える軸を決めてから本数を決める
本数より先に決めるべきなのは、そもそも何を変えた何本なのかという設計のほうです。
| 変える軸 | 学べること |
|---|---|
| 訴求(誰の何の悩みに向けるか) | 市場のどこに需要があるか |
| 見せ方(写真・イラスト・実写動画) | その訴求に合う表現形式 |
| 文言(コピーの言い回し) | 細部の最適化 |
この3つは効果の大きさが違います。訴求を変えると数字は大きく動き、文言を変えても数%しか動きません。最初に回すべきは訴求の軸で、文言の調整は最後です。
色を変えた、文字を大きくした、という10本は実質1本と同じで、並べても学べることが増えていません。
設計の手順
- 1日予算から、1本あたりに回せる配信量を計算する。ここが出発点です
- 1本あたり数十件のコンバージョンがたまる本数を上限にする。足りないなら本数を減らします
- 訴求の軸を3つ書き出す。同じ商材でも、悩みの入口は複数あります
- 各軸1本ずつ作る。この時点では見せ方や文言はそろえて構いません
- 勝った軸だけ、見せ方を変えて2、3本に展開する。負けた軸は捨てます
- 最後に文言を調整する。ここまで来て初めて、細部の最適化が効きます
この順番だと無駄になる制作が減ります。最初から30本作って回すより、3本で軸を決めてから展開するほうが、制作費も時間も少なくて済む。
注意点
配信量が確保できない案件では、本数を絞るのが正解です。1日予算が薄いなら、2本でも多い。1本に集中させて学習を回すほうが、比較を諦めるだけの価値があります。
もうひとつ、勝ったクリエイティブをいつまでも回し続けると摩耗します。フリークエンシーとCTRで差し替え時期を判定してください。本数の設計と差し替えの設計は別の話です。
そして、負けた軸を「作ったから」という理由で残さないでください。判断できる数がたまったなら、止める決断のほうが成果に効きます。
チェックリスト
- 1本あたりに回る配信量を、予算から計算した
- 1本あたりのコンバージョンが、判断できる件数たまる本数に絞っている
- 訴求の軸を3つ書き出してある
- 最初のテストで、見せ方と文言をそろえている
- 勝った軸だけを展開している
- 負けた軸を止める判断をしている
- 文言の調整を、軸が決まった後に回している
よくある質問
広告クリエイティブは何本用意すればいいですか?
正解の本数はなく、予算が上限を決めます。1本あたりに数十件のコンバージョンがたまる配信量を確保できる本数までです。本数を増やすと1本あたりの配信量が減り、どれが良かったのか判断できなくなります。
たくさん作ったほうが当たりを見つけやすいのではないですか?
逆になることが多いです。本数を増やすほど1本あたりの母数が減り、数字が実力ではなく偶然を映すようになります。判断できない本数を並べても、当たりを見分けられません。まず3本で訴求の軸を決めてから展開してください。
クリエイティブは何を変えてテストすべきですか?
訴求の軸から変えてください。誰のどの悩みに向けるかを変えると数字は大きく動きますが、文言の言い回しを変えても数%しか動きません。色や文字を変えただけの10本は、学べることが増えないため実質1本と同じです。