LPを速くしたら、計測が壊れた。表示速度とタグの両立

LPが重い原因は、画像よりも計測タグであることが多くあります。自社のLPを調べたところ、タグの配信元は13のドメインに分散していました。ただし、まとめて後回しにすると計測のほうが壊れます。実際、タグを遅らせた結果、アクセス解析の記録開始が1.5秒遅れ、その間に離脱した人は記録に残っていませんでした。切り分けの基準は1つで、コンバージョンより手前に発火が必要なタグだけ先に読み込みます。
LPの表示が遅いという相談で、最初に画像の話になることが多くあります。圧縮しましょう、遅延読み込みにしましょう、と。
もちろん効きます。ただ、画像を直しても数字が変わらないことがある。原因が画像ではなく、あとから足していった計測タグのほうにある場合です。
タグは、足した本人にも見えなくなる
計測タグは、増えるときに反対されません。広告を1媒体増やせばタグが1つ増え、ヒートマップを入れればまた1つ増える。1つあたりの重さは小さいので、そのときは誰も止めません。
問題は、それが積み上がったあとに誰も全体を見ていないことです。管理画面には自社が入れたタグしか出ないため、他社のタグと合計で何が起きているかは分かりません。
実測:配信元は13ドメインに分散していた
自社の診断ページを調べたときの数字です。
| 項目 | 実測 |
|---|---|
| 計測タグの配信元ドメイン数 | 13 |
| 最後のタグが読み終わる時刻 | 約1,900ms |
| 止まっていたタグ | 1本(403エラーで約3.5秒かけて失敗) |
3つ目が分かりやすい例です。すでに使っていない連携のスクリプトが残っていて、毎回アクセスしては拒否され、その往復に3.5秒使っていました。成果に1ミリも寄与しないまま、全員の読み込みを遅らせていたことになります。
この手のタグは、担当が変わると誰も存在を知りません。棚卸ししない限り残り続けます。
速くしたら、今度は計測が壊れた
ここからが本題です。重いタグをまとめて後回しにする設定を入れたところ、表示は軽くなりました。ところが計測が崩れました。
アクセス解析の記録が始まるのが、ページを開いてから約1,550ms後になっていたのです。
何が起きるか。この1.5秒の間に離脱した人は、訪問した記録すら残りません。滞在時間の計測も、タグが動き出した時点からしか数えないため、実際より短く出ます。
広告からの流入で最も離脱が多いのは、まさにこの最初の数秒です。いちばん知りたい層が、統計から消えていました。
解析タグだけを後回しの対象から外したところ、記録開始は約200msになりました。他のタグは後回しのままです。速度はほとんど変わりませんでした。
切り分けの手順
- タグの一覧を作る。ブラウザの検証ツールでネットワークを開き、外部ドメインを書き出します。自社が把握していないものが出てきます
- 使っていないタグを消す。終了した施策、退会した媒体、試して止めたツール。ここがいちばん効きます
- 残ったタグを2つに分ける。「ページを開いた瞬間を記録する必要があるもの」と「コンバージョンの瞬間に動けばいいもの」です
- 前者だけ先に読み込む。アクセス解析がこちらに入ります
- 後者は後回しにする。広告のコンバージョンタグは、申込ボタンを押す頃には読み込みが終わっています
- 変更後、実際に申し込んで発火を確認する。速度を測る前に、計測が生きているかを先に見ます
注意点
速度の数値だけを追うと、計測を犠牲にしていることに気づけません。表示速度は測れば分かりますが、失われた計測は「無かったこと」として静かに消えます。気づく手がかりが残らないのが厄介なところです。
もうひとつ、タグを整理したあとに数字が下がったように見えることがあります。壊れた計測を直すと、それまで過大に出ていた数字が正常値に戻るためです。前後の比較をするときは、計測を変えた日を記録しておいてください。
そして、速度より先に見るべきものがある場合も多くあります。ファーストビューで7割近くが離脱している状態なら、数百ミリ秒を削るより、そちらを直すほうが効きます。
チェックリスト
- LPが読み込んでいる外部ドメインを、一覧で書き出した
- すでに使っていない施策のタグが残っていないか確認した
- エラーを返し続けているタグがないか確認した
- タグを「開いた瞬間に必要」と「CV時に必要」で分類した
- アクセス解析を、後回しの対象から外している
- 変更後に実際に申し込んで、計測の発火を確認した
- 計測設定を変えた日を記録している
よくある質問
LPの表示が遅い原因は何ですか?
画像より計測タグであることが多くあります。自社のLPを調べたところ、タグの配信元は13ドメインに分散し、最後のタグが読み終わるのは約1,900ms後でした。さらに、すでに使っていない連携のスクリプトが403エラーを返し続け、約3.5秒を消費していました。
計測タグをまとめて後回しにしてもいいですか?
よくありません。実際にまとめて後回しにしたところ、アクセス解析の記録開始が約1,550ms後になり、その間に離脱した人が記録に残らなくなりました。解析タグだけ対象から外すと約200msに戻り、速度はほとんど変わりませんでした。
タグを整理したら数字が下がりました。失敗ですか?
壊れていた計測が直った結果、過大に出ていた数字が正常値に戻った可能性があります。計測設定を変えた日を記録し、その前後で単純比較しないでください。判断は、実際の申込件数や受注件数と突き合わせて行います。