Meta広告のキャンペーン構造の作り方。キャンペーン・広告セット・広告は何個にするか

Meta広告の構造は、キャンペーンで目的と予算の持ち方を、広告セットで誰にいくら届けるかを、広告で何を見せるかを決めます。キャンペーンは目的や予算管理の単位が違うときだけ分け、広告セットの数は「直近4週の平均の週CV数÷50」を上限にします。多くの中小規模のアカウントでは、新規獲得の広告セットは1つで足ります。分けたくなる理由の多くは分析のためで、それは配信後のレポートで見られます。
Meta広告のアカウントを開くと、キャンペーンが十数本、広告セットが数十個並んでいることがあります。
1つ1つには作った理由があります。年代ごとに反応を見たかった。新しい訴求を試したかった。前任者の構成をそのまま引き継いだ。ただ、その結果として、どの広告セットにもデータが貯まらず、配信が安定しない状態になっていることが少なくありません。
この記事では、Meta広告の構造をどう決めるかを、3つの階層の役割から順に整理します。広告セットを分けすぎたときに何が起きるかは学習期間が終わらない原因の記事でも書いているので、ここでは「最初にどう組むか」に絞ります。
目次
Meta広告の3つの階層と、それぞれで決めること
Meta広告は、キャンペーン、広告セット、広告の3階層でできています。階層ごとに決める内容がはっきり分かれているので、まずそこを押さえます。
キャンペーン:目的と予算の持ち方
キャンペーンで決めるのは、何を目的に配信するか(売上、リード獲得、認知など)と、予算をキャンペーン全体で持つか、広告セットごとに持つかです。目的が違えば、Metaが最適化する対象そのものが変わります。
広告セット:誰に、いくらで、どこに届けるか
広告セットでは、オーディエンス、予算とスケジュール、配置、最適化するコンバージョン地点、入札の方法を決めます。配信の学習が進むのはこの単位です。
広告:何を見せるか
広告では、画像や動画、テキスト、リンク先を決めます。同じ広告セットの中に複数の広告を入れると、Metaが反応の良いものに配信を寄せていきます。
| 階層 | 決めること | 分けると何が起きるか |
|---|---|---|
| キャンペーン | 目的、予算の持ち方 | 予算と学習が別々になる |
| 広告セット | オーディエンス、予算、配置、CV地点、入札 | 学習に使うCVが割られる |
| 広告 | クリエイティブ、テキスト、リンク先 | 表示回数が割られる(学習は割れない) |
構造を決める前提:学習は広告セットごとに進む
構造の設計で一番大事なのは、配信の学習が広告セット単位で進むことです。
Metaは、コンバージョンした人の特徴から「次に配信すべき人」を探します。その材料になるCVは、広告セットごとに数えられます。目安は、1つの広告セットで7日間におよそ50件です。
つまり広告セットを1つ増やすたびに、学習の材料が分割されます。広告を増やしても学習は割れませんが、広告セットを増やすと割れる。構造を考えるときは、この非対称をいつも頭に置いておきます。
キャンペーンを分ける基準
キャンペーンを分けてよいのは、次のどれかに当てはまるときです。
- 目的が違う:購入と認知のように、Metaに最適化させたいものが違う
- 予算を別々に管理する必要がある:商材ごとに予算の枠が決まっている、部署ごとに費用を分ける
- 商材や商圏がまったく違う:扱う商品が別物、配信する地域や言語が違う
逆に、「新しい訴求を試したい」「前月と比べたい」という理由でキャンペーンを増やす必要はありません。訴求の違いは広告単位で、期間の比較はレポートの期間指定で済みます。
広告セットの数の決め方
広告セットの数は、感覚ではなく計算で上限が出ます。
広告セットの上限 = 直近4週の平均の週CV数 ÷ 50(小数点以下は切り捨て。0なら1)
例:週60件 → 1つ/週120件 → 2つ/週200件 → 4つ
計算結果が1なら、新規獲得の広告セットは1つです。年代別や地域別に分けたくなっても、分けた先のどれも学習が終わらなくなります。
計算結果が0、つまり週50件に届かない場合は、分けるかどうか以前の問題です。購入より手前の行動(カート追加や資料請求など)を最適化するCV地点にして、件数を確保するところから始めます。
それでも広告セットを分けてよいケース
新規獲得とリターゲティングは、狙う相手も適正なCPAも違うので、分ける理由があります。混ぜると、CPAの安いリターゲティング側に予算が吸われ、新規の配信が細ります。ただしリターゲティングは母数が小さく、件数が足りないことも多いので、分ける前にリターゲティングの母数の記事で確認してください。
広告の数の決め方
広告は増やしても学習は割れませんが、表示回数は割れます。1つの広告セットに広告を10本も入れると、1本あたりの表示が少なくなり、どれが良いのか判断がつきにくくなります。
目安として、1つの広告セットに入れる広告は3〜6本程度にします。そのうえで、訴求の軸が違うものを並べる。色違いやコピーの一語違いを何本も入れても、比較から学べることはほとんどありません。何を変えて何本作るかはクリエイティブの本数の記事で詳しく書いています。
予算規模別の構成例
ここまでの考え方を、予算規模ごとに当てはめるとこうなります。1か月を4週として計算した例です。
| 月の予算 | 想定CPA | 週のCV | 新規の広告セット | 広告の本数 |
|---|---|---|---|---|
| 30万円 | 6,000円 | 約12件 | 1つ(CV地点を手前に置くことも検討) | 3〜4本 |
| 100万円 | 5,000円 | 約50件 | 1つ | 4〜6本 |
| 300万円 | 4,000円 | 約188件 | 最大3つ | 各4〜6本 |
月100万円の予算があっても、CPAが5,000円なら新規の広告セットは1つが基本です。予算の大きさではなく、CV数で決まります。
よくある失敗構造
年代別・性別に広告セットを分けている
最も多いのがこれです。どの層に効いているかを知りたいという動機は正当ですが、年代別の内訳は配信後のレポートで見られます。知るために分ける必要はありません。
クリエイティブごとに広告セットを作っている
クリエイティブを比較したいなら、同じ広告セットに入れて並べれば済みます。広告セットを分けると、比較のたびに学習が割れます。
キャンペーンの目的と、広告セットのCV地点がずれている
売上を目的にしたキャンペーンなのに、広告セットの最適化がリンクのクリックになっている、といったずれです。Metaはクリックする人を探すので、購入にはつながりにくくなります。
既存のアカウントを組み替える手順
すでに広告セットが分かれすぎている場合は、次の順で組み替えます。
- 直近4週の広告セット別のCV数を並べ、週のCV数から広告セットの上限を計算する
- CVが1桁しか出ていない広告セットを止める
- 狙っている層がほぼ同じ広告セットを1つにまとめ、広告も新しい広告セットに集める
- まとめた広告セットの予算を、止めた分も含めた合計額にそろえる
- 組み替えから7日間は設定を触らない
組み替えた直後は、学習がやり直しになるので数字が一時的に悪く見えることがあります。ここで元に戻すと、組み替えの意味がなくなります。組み替えたあとの1週間をどう見守るかは、初動1週間は触らない運用の記事に、見る数字と見ない数字を分けて書きました。
まとめ:構造は、分析のしやすさではなくCV数で決める
- キャンペーンは目的と予算の持ち方、広告セットは誰にいくらで届けるか、広告は何を見せるかを決める
- 学習は広告セット単位で進む。広告セットを増やすと学習の材料が割られる
- キャンペーンを分けるのは、目的、予算の管理、商材や商圏が違うときだけ
- 広告セットの上限は、直近4週の平均の週CV数÷50
- 広告は1つの広告セットに3〜6本。訴求の軸が違うものを並べる
分析したい内訳は、構造を分けなくてもレポートで見られます。構造は、学習に必要な件数を集めるためのものです。
よくある質問
Meta広告の広告セットは何個に分けるべきですか?
直近4週の平均の週CV数を50で割った数が上限です。週60件なら1つ、週120件なら2つです。週50件に届かない場合は、分ける前にCV地点を手前に置いて件数を確保します。
キャンペーンを分けるのはどんなときですか?
目的が違うとき、予算を別々に管理する必要があるとき、商材や商圏がまったく違うときです。訴求のテストや期間の比較のためにキャンペーンを増やす必要はありません。
1つの広告セットに広告は何本入れればいいですか?
3〜6本程度が目安です。多すぎると1本あたりの表示回数が少なくなり、どれが良いか判断しにくくなります。訴求の軸が違うものを並べます。
年代別に広告セットを分けてもいいですか?
おすすめしません。年代別の内訳は配信後のレポートで見られます。分けると学習に使うCVが割られ、どの広告セットも配信が安定しにくくなります。
新規とリターゲティングは分けるべきですか?
狙う相手と適正なCPAが違うので、分ける理由はあります。ただしリターゲティングは母数が小さく件数が足りないことが多いため、先に母数を確認してください。
広告セットを統合すると成果は落ちますか?
直後は学習がやり直しになるため、一時的に数字が悪く見えることがあります。7日間は設定を触らずに待ち、そのあとの数字で判断します。