広告のやめどきは、いつか。撤退基準を先に決める

広告を止める判断は、始める判断より難しくなります。すでに使った金額が判断を引っ張るためです。対策はひとつで、開始する前に撤退基準を決めておくこと。決めるのは、いくら使うまでに何件取れなければ止めるか、の2つだけです。ただし止める前に、広告以外に原因がないかを必ず確認してください。着地ページや申込フォームが詰まっているだけなら、止めるべきなのは広告ではありません。
広告を始めるときには期待がありますが、止めるときにはそれがありません。だから判断が遅れます。
「あと1ヶ月やれば当たるかもしれない」という考えが出てきたら、たいてい判断が歪み始めています。
使った金額が判断を引っ張る
すでに100万円使っていると、止める判断は一気に難しくなります。ここでやめたら100万円が無駄になる、という感覚が働くからです。
ただ、その100万円は止めても続けても戻ってきません。判断に使うべきなのは、これから使う予算がどれだけ成果を生むかだけです。過去に使った額は、本来は判断材料になりません。
頭で分かっていても実務では効かないので、開始前に基準を決めておく必要があります。使った額が増える前、まだ冷静なうちに決めておくのが唯一の方法です。
決めるのは2つだけ
撤退基準は複雑にしないでください。決めるのは次の2つです。
| 決めること | 例 |
|---|---|
| 上限金額 | 累計50万円まで |
| その時点で必要な成果 | コンバージョン10件、うち商談3件 |
この2つを紙に書いて関係者と共有します。共有することが要点で、自分の頭の中だけに置いておくと、後から自分で書き換えてしまうからです。
上限金額の目安は、目標CPAの10倍から20倍です。この金額を使って1件も取れないなら、設計のどこかが根本的に合っていません。
止める前に確認する4点
基準に達したとしても、すぐには止めないでください。止めるべき対象が広告ではないことがあります。
- 計測が正しく動いているか。成果は出ているのに計測されていない事故は実在します。フォームのテスト送信で確認します
- クリック後に人が消えていないか。クリックは来ているのにCVがないなら、原因は着地ページです。4つの地点を並べて区間を特定してください
- 申込フォームで詰まっていないか。必須項目が多すぎて85%が離脱していた例もあります
- そもそも学習が回る予算だったか。1日予算が薄すぎると、商材の良し悪し以前に配信が成立しません
この4点がすべて問題なく、それでも基準に届かないのであれば、そのときは止める判断でいい。
注意点
止めることと失敗は違います。基準どおりに止められたなら、それは設計どおりに動いた判断です。止められずにずるずる続けてしまったときだけが失敗になります。
もうひとつ、全部を一度に止めないでください。うまくいっていない配信と、そうでない配信が混ざっているのが普通です。全停止すると、次に再開するとき学習がゼロからになります。落ちている部分から順に止めてください。
そして、止めた後に何を残すかを決めておいてください。アカウント、計測タグ、蓄積したオーディエンス。これらを消してしまうと、再開時にまた最初からになります。
チェックリスト
- 開始前に上限金額を決めてある
- その時点で必要な成果の件数を決めてある
- 基準を紙に書いて関係者と共有している
- 止める前に、計測が動いているか確認した
- クリック後に人が消えていないかを地点別に確認した
- 1日予算が学習に足りていたかを確認した
- 止めるときは全停止ではなく、落ちている部分から止めている
よくある質問
広告はいつ止める判断をすべきですか?
開始前に決めた基準に達したときです。決めるのは上限金額と、その時点で必要な成果件数の2つだけで構いません。使った金額が増えてから判断すると、これまでの投資を惜しむ心理が働き、判断が遅れます。
撤退の上限金額はどのくらいが目安ですか?
目標CPAの10倍から20倍が目安です。この金額を使って1件も取れないなら、クリエイティブや入札の調整では届かず、設計のどこかが根本的に合っていません。ただし高額商材では検討期間が長いため、期間も含めて基準を置いてください。
基準に達したら、すぐ止めていいですか?
止める前に4点を確認してください。計測が動いているか、クリック後に人が消えていないか、申込フォームで詰まっていないか、学習が回る予算だったか。これらが原因なら、止めるべきなのは広告ではありません。