BtoBのMeta広告でリードの質を上げる方法。件数は出るのに商談にならないときの設計

BtoBのMeta広告でリードの件数は出るのに商談にならないのは、広告がフォームを送信しやすい人を探すように最適化されているからです。質を上げるには、フォームに見込み度を確かめる質問を入れる、送信前の確認を挟む、広告の中で対象と価格帯を名指しする、の3つが効きます。評価はリード単価ではなく商談単価で行います。リード単価が2倍になっても、商談化率が4倍になれば、商談1件あたりの費用は下がります。
BtoBでMeta広告を回すと、リードの件数は意外と取れることがあります。ただ、営業が連絡すると、つながらない、そもそも検討していない、学生だった。件数は出ているのに、商談がほとんど生まれない。
この状態で「Meta広告はBtoBに向かない」と結論を出す前に、確認すべきことがあります。多くの場合、問題は媒体ではなく、広告が何を最適化しているかと、リードをどう評価しているかにあります。
この記事では、BtoBのMeta広告でリードの質を上げる設計を、フォーム、CV地点、訴求、評価の順に整理します。
目次
BtoBでMeta広告が向いている条件
Meta広告は、検索広告のように「今探している人」に届けるものではなく、まだ探していない人に見つけてもらうための媒体です。BtoBで成果が出やすいのは、次の条件がそろうときです。
- 中小企業の経営者や個人事業主など、決裁する本人がSNSを日常的に見ている
- 課題を言われれば「うちのことだ」と分かる、身近な悩みを扱っている
- 資料請求や無料診断など、いきなり商談にしない入口を用意できる
逆に、大企業の複数部署で稟議を回す高額な商材では、Meta広告だけで商談まで持っていくのは難しくなります。その場合は、認知や資料請求の入口として位置づけます。
件数は出るのに商談にならない構造
Meta広告は、指定したCV地点を増やすように配信されます。フォームの送信をCVにしていれば、Metaはフォームを送信しやすい人を探します。
フォームを送信しやすい人と、商談になる人は、同じではありません。入力が簡単なほど、興味本位の人や、プレゼントだけが目当ての人も送信します。そしてMetaは、その人たちに似た人をさらに探しに行きます。
つまり、何もしなければ、リードの質は運用を続けるほど下がる方向に動きます。これを止めるには、送信のハードルと、広告が学習する材料の両方に手を入れる必要があります。
フォームで質を上げる
見込み度を確かめる質問を1〜2問入れる
従業員数、検討の時期、月の予算の目安など、答えによって見込み度が分かる質問を入れます。選択式にすれば、入力の手間はそれほど増えません。答えの内容で、営業が連絡する順番も決められます。
項目を増やしすぎない
ただし、質問を増やしすぎると、見込みのある人まで離脱します。申込フォームで85%が離脱していた実例は申込フォームの記事で紹介しています。入れる質問は、答えによって営業の対応が変わるものだけ。それ以外は、商談の場で聞けば足ります。
送信前に確認を挟む
送信ボタンの前に、入力内容と「このあと担当者から連絡が来る」ことを確認する画面を挟むと、うっかり送信や、内容を読まずに送信する人が減ります。件数は少し減る代わりに、つながらないリードも減る。営業の時間を考えれば、たいていは得な取引です。
インスタントフォームとLPのフォーム
Meta広告には、広告の中でフォームが開き、アプリを離れずに送信できる形式(インスタントフォーム)があります。LPに移動してフォームを送る形式との違いは、次のとおりです。
| 形式 | 件数 | 質 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| インスタントフォーム | 出やすい(名前などが自動で入る) | ばらつきやすい | まず件数を集めて、電話でふるいにかける体制がある |
| LPのフォーム | インスタントより少ない | LPを読んだ人に絞られる | 商材の説明が必要、営業の工数を減らしたい |
インスタントフォームを使う場合は、前の章の質問と確認画面を必ず入れます。入れないと、件数の多さに対して、商談になる割合が極端に低くなりがちです。
CV地点の置き方
資料請求や診断を入口にする
BtoBでは、いきなり問い合わせや商談を求めても件数が出ず、学習が進みません。資料請求や無料診断を入口のCVにすると、件数が出て配信が安定します。そのうえで、入口から商談へ進む割合を別に追います。
商談化したデータを広告に返す
CRMで商談になったリードの情報をMetaに送り返し、「商談になった人に似た人」を探させる仕組みもあります。うまく回ればリードの質は大きく上がりますが、設定と運用の手間がかかり、商談の件数が少ないと学習に足りません。まずはフォームと訴求で質を上げ、商談が月に数十件出るようになってから検討するのが現実的です。
広告の訴求で質を上げる
広告の中で対象をはっきり書くと、関係のない人がクリックしなくなります。
- 対象を名指しする:「従業員30名以下の製造業の経営者向け」のように、業種、規模、立場を書く
- 価格帯を書く:「月額◯万円から」と書くと、予算が合わない人が自然に外れる
- 無料の特典だけを前面に出さない:特典が目当ての人が増える。特典は、課題を解決する流れの中で見せる
ターゲティングで役職や業種を絞るより、訴求で名指しするほうが、届く相手はそろいやすくなります。ターゲティングの4つの種類と組み合わせ方は、別の記事で整理しています。
営業との連携で、リードの質を上げ続ける
リードの質は、広告とフォームだけでは決まりません。リードを受け取ったあとの動きでも変わります。
連絡の早さで、つながる割合が変わる
Meta広告のリードは、検索広告のリードより「思いつきで送った」人が多く含まれます。時間が経つほど、送ったこと自体を忘れられます。送信から連絡までの時間を短くするだけで、つながる割合は変わります。
商談にならなかった理由を記録して、広告に返す
営業が「予算が合わなかった」「対象外の業種だった」「情報収集だけだった」と理由を記録しておくと、広告の訴求で何を書けばよいかが見えてきます。予算が合わない人が多いなら価格帯を書く、対象外の業種が多いなら対象を名指しする。広告とフォームの改善は、営業の記録から始まります。
評価はリード単価ではなく商談単価で行う
リードの質を上げる施策は、ほぼ必ずリード単価を上げます。リード単価だけを見ていると、質を上げる施策が「悪化」に見えてしまいます。
| パターン | リード単価 | 商談化率 | 商談単価 |
|---|---|---|---|
| A:入力しやすいフォーム | 5,000円 | 10% | 50,000円 |
| B:質問と確認画面を入れた | 12,000円 | 40% | 30,000円 |
Bはリード単価が2倍以上になっていますが、商談1件あたりの費用は4割下がっています。営業がつながらないリードに電話する時間も減ります。
リードが商談に進んだ割合と、商談が受注に進んだ割合を毎月記録しておけば、数字が落ちたときに、広告の問題なのか営業の問題なのかを分けて考えられます。運用を代理店に任せている場合の確認のしかたは、代理店への不満の記事を参考にしてください。
まとめ:件数ではなく、商談につながる人を集める
- 広告はフォームを送信しやすい人を探す。何もしなければリードの質は下がっていく
- フォームに見込み度を確かめる質問を1〜2問入れ、送信前に確認を挟む
- インスタントフォームは件数が出やすいが、質問と確認なしで使わない
- 訴求の中で対象と価格帯を名指しする
- 評価はリード単価ではなく、商談単価で行う
BtoBのMeta広告は、件数を取る設計から、商談につながる人を取る設計に切り替えた時点で、使える媒体になります。
よくある質問
BtoBでもMeta広告は使えますか?
使えます。決裁する本人がSNSを見ている中小企業向けの商材や、資料請求や診断など商談にしない入口を用意できる場合に向いています。大企業向けの高額商材では、認知や資料請求の入口として位置づけます。
Meta広告のリードが商談にならないのはなぜですか?
広告がフォームを送信しやすい人を探すように最適化されているからです。入力が簡単なほど興味本位の人も送信し、Metaはその人たちに似た人をさらに探します。
リードの質を上げるにはどうすればいいですか?
フォームに見込み度を確かめる質問を1〜2問入れる、送信前に確認画面を挟む、広告の中で対象と価格帯を名指しする、の3つが効きます。
インスタントフォームとLPのフォームはどちらがいいですか?
インスタントフォームは件数が出やすい一方、質がばらつきやすいです。商材の説明が必要な場合や、営業の工数を減らしたい場合はLPのフォームが向きます。
リード単価が上がったら失敗ですか?
リード単価だけでは判断できません。商談化率が上がっていれば、商談1件あたりの費用は下がっていることがあります。商談単価で評価してください。
BtoBのCV地点は何にすればいいですか?
いきなり問い合わせや商談を求めると件数が出ないため、資料請求や無料診断を入口にするのが一般的です。入口から商談へ進む割合は別に追います。